第I部 活き活きとした地域づくりと企業活動に向けた多彩な取組みと国土交通施策の展開 

(特色・個性を活かした目標像の設定と取組みの実施、変革努力の継続)

 地域づくりの取組みの実践段階においては、行政、住民、企業、NPOなど多様な主体による様々な取組みが複合して行われている。このため、民間の声を反映させながら、地域の行政が中心となって、特色・個性を示す地域資源の選定を含む目標像の設定や行動計画の策定を行うとともに、関係者間の調整を図っている事例が見られる。
 また、取組みの実施に当たって、行政は、民間による取組みの効果を高めるための関連する公共施設の改良や、地域資源を維持・増進するための条例による規制などの役割を民間の取組みと連携・協働しながら行うとともに、民間の取組みに対する補助金の交付や出資などの支援を実施している。民間においては、公共的な施設を活用した活動や事業、住宅や商店の改装、新規事業の創業などを行っている。地域づくりの結果、企業が投下資金を回収する以上の成果を上げたことが、取組みの一層の展開につながった事例も見られる。
 企業においては、利用者の声を反映するため、または、新たな価値を創造するため、市場を自ら調査し、企業自らが目標や計画を設定しているが、行政や関係者が一体となって、技術開発等に取り組み、新たな価値を創造する場合や、一体となって市場調査を行う場合もある。また、行政が需要者として利用することや公的主体による認証を活用することによって新技術や新商品に信頼を与え、成果を上げることにつながっている場合も見られる。
 このように、多様な主体が役割を分担しながら実施した取組みを、さらに発展させることによって、地域・企業の変革努力が継続している。

 

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