第II部 国土交通行政の動向 

3.社会資本整備重点計画の概要

 社会資本整備重点計画では、計画期間中に社会資本整備事業により実現を図るべき目標を設定するとともに、その達成のために実施すべき事業の概要を定めている。また、社会資本整備の重点的、効果的かつ効率的な実施のために求められる改革の取組みを定めている。
 計画の要点は、以下のとおりである。

1)国民から見た成果目標を明示
 長期計画が、予算の量的確保に重点が置かれすぎているなどの指摘に応えるとともに、国民に対して長期計画の目標を分かりやすく提示するため、計画の内容を、社会資本を提供する側の「事業費」から、受益する国民の立場から見た「達成される成果」に転換した。

2)事業間連携の強化
 暮らし、安全、環境、活力という4つの分野ごとに、横断的な重点目標やその指標を設定することなどにより、他の公共事業計画に位置付けられた事業も含め、事業間連携を強化することとしている。また、民間との連携による取組みやソフト施策も盛り込んでいる。

(横断的な重点目標やその指標、省庁間の事業間連携の例)
○少子・高齢社会に対応したバリアフリー社会の形成(一日当たりの平均利用者数が5,000人以上の旅客施設の段差解消 平成14年39%→19年7割強等)
○公園、道路、河川、港湾、民有地等を一体とした緑化指標(都市域における水と緑の公的空間確保量を平成19年までに約1割増)
○国土交通省(下水道)、農林水産省(集落排水施設)、環境省(浄化槽)共通の汚水処理人口普及率(平成14年76%→19年86%)

3)事業横断的な改革方針の決定
 事業評価の厳格な実施、総合的なコストの縮減、事業の構想段階からの住民参加の推進、入札・契約の適正化、PFIなど民間資金・能力の活用、国庫補助負担金における地方の裁量の向上等について事業横断的に記載している。

4)Plan-Do-Seeの徹底による無駄の排除とめりはりのある予算への反映
 計画内容について重点計画の策定と重点目標の設定(Plan)、事業の重点的実施(Do)、評価の実施(See)のサイクルを徹底させ、一年ごとに目標の達成度を評価・分析して、適切に翌年度以降の事業・予算に反映させる。

 

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