第II部 国土交通行政の動向 

1.民間都市開発の推進

(1)都市再生特別措置法の概要

 平成14年6月に施行された都市再生特別措置法においては、地方公共団体・民間等から提案された大規模プロジェクトの実現・推進上の課題に対応するため、「都市再生緊急整備地域」について、民間事業者等による都市計画提案、既存の用途地域等に基づく規制を適用除外とした上で自由度の高い新たな都市計画を定める「都市再生特別地区」といった都市計画上の措置を設けるとともに、当該地域内の認定された民間都市再生事業に対する金融支援措置(無利子貸付、出資・社債等取得、債務保証)や税制上の特例措置など、思い切った措置を講じている。
 また、都市再生本部は、都市再生緊急整備地域ごとに地域整備方針を策定し、1)整備の目標、2)都市開発事業を通じて増進すべき都市機能に関する事項等を定めることとしている。
 なお、金融支援の前提となる認定については、5年に限定され、また、都市再生特別措置法全体についても、10年以内に見直すこととされている。

 
図表II-3-1-1 都市再生特別措置法に基づく事業実施の流れ

都市再生基本方針は閣議決定され、政令により都市再生緊急整備地域が指定される。次に、都市再生本部が各地域毎に地域整備方針を策定する。各地域では都市再生緊急整備協議会を設置し、民間事業者からの要請等により必要に応じて協議会を開催する。各地域においては、民間事業者は都道府県等に対して、関係権利者の3分の2以上の同意を得て、都市再生特別地区等の都市計画の提案を行うことでき、同時に都市開発事業に係る認可等の申請を行うことができる。申請から8ヶ月以内に都市計画の決定や事業計画等の認可等が行われ、民間事業者は事業を実施することができる。民間事業者は民間都市再生事業計画を国土交通大臣に申請する。国土交通大臣が計画の認定を行い、関係地方公共団体、公共施設の管理者、民都機構等へ通知し、公表する。認定された事業については、民間都市開発推進機構は、無利子貸付、出資等、債務保証を行い、民間事業者は事業を実施する。

 

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