第II部 国土交通行政の動向 

3.港湾における水際対策・危機管理体制の強化

 国際テロを始めとする国際組織犯罪を未然に防止するためには、ヒト・モノが出入りする我が国の「国境」である国際港湾における適切な「水際対策・危機管理体制」が特に重要である。国際港湾においては、施設管理者、警察、海保、入管、税関、国土交通省等の行政機関及び民間事業者など多様な主体が関わっており、全体としての保安の向上のためにはこれらの関係者の連携強化が必要である。
 このような状況を踏まえ、政府においても、内閣官房を中心に関係省庁が連携して水際対策を強化する方針を打ち出し、平成15年12月に「空港・港湾における水際対策幹事会」において、「水際危機管理チーム」の設置、「空港・港湾危機管理官・担当官」の配置、「空港・港湾保安委員会」の設置・活用が決定され、その後、関係者により順次実施に移されている。
 国土交通省は、輸送機関の安全確保、港湾の管理、海上の治安確保といった業務を所管しており、水際対策・危機管理体制に積極的に取り組むこととしている。

 
図表II-4-1-1 空港・港湾における水際対策・危機管理体制の強化

空港・港湾における水際対策・危機管理体制の強化を図るため、平成15年9月に空港・港湾における水際対策幹事会が設置され、同幹事会の決定により、平成16年1月に水際危機管理チームが発足し、同時に主要国際空港、主要国際港湾には空港・港湾危機管理官が置かれた。それ以外の空港・港湾についても空港・港湾危機管理担当官が順次設置される。また、空港・港湾管理者、税関、入管、警察、海保、民間その他がメンバーとなる空港・港湾委員会を設置、活用し、日常的に、保安の向上及び入出管理の強化について連携・協力策を議論することとしている。なお、空港保安委員会は全ての国際空港で設置済み、港湾委員会は平成17年度までに123の国際港湾に設置することとしている。

 

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