第I部 東アジアとの新たな関係と国土交通施策の展開 

3 外国人も活動しやすい環境の整備

 我が国が国際的な拠点としての地位を維持していくためには、外国人も活動しやすい環境を整備していくことが重要であり、訪日外国人旅行者の増加を図る上からもこうした取組みが求められる。
 国土交通省では、高齢者や身体障害者等の社会経済活動への参加を円滑なものとするため、公共交通機関や歩行空間、建築物などのバリアフリー化(注)を推進してきた。今後は、バリアフリー化の考え方をさらに進め、これらの人々に限らず、外国人を含めた全ての人々が、自立し、安心して暮らし、持てる能力を最大限に発揮できるようにするため、障害の有無、年齢や言語等の違いに対応した「ユニバーサルデザイン」の考え方に基づく施策を進めていく必要がある。
 外国人にとっては、特に言語の問題を解決することが重要であり、案内標識の多言語化など外国人が一人歩きできる環境の整備を進めていかなければならない。その際、東アジアからの訪日外国人旅行者が多いことを踏まえ、英語やピクトグラム(絵文字)による案内の標準化を図るとともに、地域特性に応じて、韓国語、中国語等による案内の充実を考慮することが有効である。また、IT技術を活用した多言語による情報提供等にも取り組んでいく必要がある。


(注)高齢者・障害者等が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去(フリー)すること。物理的、社会的、制度的、心理的な障壁、情報面での障壁など全ての障壁を除去するという考え方

 

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