第I部 東アジアとの新たな関係と国土交通施策の展開 

2 災害・事故・テロ対策等

 東アジアでは、暴風、洪水、地震、火山などによる自然災害が相次いで発生してきており、災害に対する備えを十分なものとしていくことが今後の発展の基礎として欠かすことができない。
 我が国はモンスーン気候帯に属すると同時に環太平洋の地震帯・火山帯の上にあり、東アジアの多くの国々と同様の自然条件にある。このため、我が国における災害の経験を踏まえた防災対策は東アジアにおいても有効なものとなる場合が多いと考えられ、東アジアの災害対策の強化に向け、ハード対策のみならず、観測・警報や避難計画の策定などソフト対策も含めた我が国の経験と技術を活かした貢献を進めていく必要がある。
 また、東アジアでは海難事故が依然として発生しており、こうした事故への対策や、事故後の復旧が重要である。災害対策・災害復旧と同様、直接顔の見える援助として日本の存在感を増すものであることからも、事故対策や事故復旧への貢献を進めていく必要がある。
 さらに、人流・物流が増大する中で、テロ対策や海賊対策の重要性も増しており、円滑な輸送との調和を保ちつつ、東アジア各国と協調して安全を確保することが重要である。交通セキュリティ(保安)は、各国のみの対応では確保することが困難であり、自国はもとより国境を越えた連携による対策が必要である。また、交通セキュリティ対策による安全の確保は、東アジアの発展の前提であることから、ハード・ソフトにわたる支援や連携を進めていく必要がある。

 

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