第II部 国土交通行政の動向 

(4)踏切道の改良推進

 踏切道における事故防止と交通の円滑化を図るため、踏切道の立体交差化等を積極的に進めてきた。しかしながら、大都市圏を中心とした「開かずの踏切」(注)などの存在は、地域分断や慢性的な交通渋滞により、魅力的で快適なまちづくりを行う上で大きな課題となっている。このため、道路管理者と鉄道事業者が連携を強化し、踏切を除却する抜本対策と、踏切の事故を防止し、交通を円滑化する速効対策を総合的かつ集中的に推進している。
 具体的には平成16年度に、立体交差化すべき踏切道として24箇所、拡幅等の構造改良をすべき踏切道として50箇所、保安設備の整備により改良することが必要とされる踏切道として55箇所の指定を行った。さらに、歩道の設置や拡幅、段差解消等の踏切歩行者空間の確保を図るに当たり、利用者の意を反映して、道路管理者と鉄道事業者の協議を迅速化する新たな調整方式を試行した。
 また、都市内の道路交通円滑化を図る連続立体交差事業については、平成16年度において、JR中央線(東京都)等62箇所で実施している。

 
図表II-3-2-3 大都市圏に集中する「開かずの踏切」

全国にある約500箇所のボトルネック踏切は、東京都に53%、大阪府に20%、その他三大都市圏に26%、その他の地域に1%ある。
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図表II-3-2-4 連続立体交差事業のイメージ

JR中央線三鷹立川間の連続立体交差事業の場合。現状では、JR中央線の多数の踏切において、渋滞、踏切事故、地域分断が発生し、踏切の多くがボトルネック踏切である。連続立体交差事業により、当該区間の踏切18箇所が一挙に除却され、例えば、小金井街道踏切ではピーク時遮断時間が0分、最大渋滞の長さも0メートルとなり、自由な往来による街の一体化の実現するなどの効果が考えられる。当該事業の箇所はJR中央線の三鷹と立川の13.1キロメートルの区間であり、完成予定は、三鷹と国分寺の区間で平成18年度、国分寺と立川の区間で平成20年度となっている。


(注)ピーク時の遮断時間が40分/時以上の踏切

 

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