第II部 国土交通行政の動向 

4 歩行者・自転車優先の道づくりの推進

 現在、身近な生活道路まで自動車優先の使い方がされており、そのため、欧米に比べ歩行者・自転車の事故が多発している。さらに、空を埋め尽くす電線類や、段差や勾配により歩きにくい歩道等、快適性の面でも十分とは言いがたい。そこで、生活道路については、これまでの自動車優先から歩行者・自転車優先に転換し、安全で質の高い生活空間として形成することが必要であり、「くらしのみちゾーン」や「トランジットモール」の推進に取り組んでいる。
 「くらしのみちゾーン」とは、外周を幹線道路に囲まれている等のまとまりのある住区や中心市街地の街区等における生活道路について、警察と連携して一般車両の地区内への流入を制限して歩行者・自転車優先とし、あわせて無電柱化や緑化等の環境整備を行い、交通安全の確保と生活環境の質の向上を図ろうとする取組みである。また、「トランジットモール」とは、中心市街地の目抜き通り等で警察と連携して一般車両の利用を制限し、歩行者・自転車と公共交通機関の利便性を高め、街のにぎわいを創出しようとする取組みである。
 現在、「くらしのみちゾーン」「トランジットモール」に取り組む48地区を登録し、事業費等の補助に加え、社会実験費の補助や専門家の派遣等、ソフト面を含め総合的な支援を実施している。

 

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