第II部 国土交通行政の動向 

(3)バラスト水中の有害水生物問題への対応

 船舶のバラスト水(注)中に混入するプランクトン等の各種生物が、バラスト水の排出に伴って本来の生息地でない場所に移動させられることにより生態系に有害な影響を与え、人の健康や経済活動に被害をもたらすとされている。これに対し世界的に統一した規制の枠組みの必要性から、IMOにおいて、バラスト水の管理規制条約実施のための国際的な指針の作成が行われている。
 日本は、IMOにおける審議において、処理装置の試験方法についての提案等を積極的に行うとともに、海洋環境への影響に関する調査及び処理装置の認証に関する体制整備のための検討を行っている。このほか、同問題に対する取組みとして、平成15年度よりバラスト水の海域間移送を行わずに安全航行が可能な船型(ノンバラスト船型)の開発等を推進している。


(注)タンカーなどの船舶が空荷のときに安全確保のため、重しとして積載する海水

 

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