第I部 安全・安心社会の確立に向けた国土交通行政の展開 

2 海上における安全・安心確保の必要性

 我が国と海外との間の物流が増大している中で、我が国の貿易は主に海上輸送により行われており(平成16年はトンベースで99.7%、金額ベースで69.3%)、海上における安全・安心の確保は重要な課題である。
 そのような中、平成17年3月に日本籍船がマラッカ海峡で武装集団に襲撃される事件が発生するなど、我が国の物流にとって重要な東アジア海域での海賊事件の発生件数は依然として多い。
 また、密輸・密航に端を発していると考えられる薬物乱用、銃器を使用した強盗・殺人、不法入国者を含む来日外国人による犯罪、組織的に行われる環境犯罪、悪質・巧妙な密漁事犯が横行し、これまでに我が国沿岸海域において、重大な犯罪に関与している疑いのある不審船・工作船事案も発生していることから、我が国領域内の安全・安心確保の観点からも、海上における適切な監視・取締対策を講じる必要がある。

 
図表I-2-6-3 海賊及び船舶に対する武装強盗事件の海域別発生状況

2000年から2004年に発生した海賊及び船舶に対する武装強盗事件の海域別発生状況は、東アジア地域で48.7%、インド洋で19.8%、アフリカで18.5%となっている。
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