第II部 国土交通行政の動向 

4 既存ストック等の有効活用

 我が国の社会資本ストックは相当な規模となっており、適切な維持管理を行い、その有効利用を図ることの重要性が高まっている。また、国と地方の厳しい財政状況の中で、近い将来、高度経済成長期に整備された大量の社会資本ストックの老朽化が進み、集中的に多額の更新投資等が必要とされる事態が懸念される。
 このような状況においては、ソフト施策との連携等により既存ストックの整備の効果を相乗的に高めるような工夫を行っていくとともに、社会資本の更新時期の平準化、維持管理や更新を考慮に入れたトータルコストの縮減等を図るため、総合的な資産管理手法を導入し、効率的・計画的な維持管理を推進することが必要である。
<既存ストック等の有効活用の具体例>
○首都高速のETC普及促進と活用
   〔例〕
首都高速本線料金所では、ETCの普及に伴い、渋滞がほぼ解消
   (ETC利用率:4.5%、渋滞:約45.2km・h/日(平成14年10月)
  →ETC利用率:59.8%、渋滞:約4.3km・h/日(平成17年10月))  ※料金所を先頭とした渋滞量
○官庁施設の保全業務の適正かつ効率的な実施により、施設の長寿命化及びライフサイクルコストの低減を推進
○既存の鉄道路線間を結ぶ連絡線の整備、相互直通運転化のための既存駅の改良等の実施により、広域的な鉄道ネットワークの形成を推進

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む