第II部 国土交通行政の動向 

(3)都市内物流の強化

 現在、都市内の渋滞が深刻な問題となっているが、渋滞の緩和により都市内の平均走行速度が改善されると、窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(SPM)等の大気汚染物質やCO2の排出量が削減されることから、渋滞対策は都市内物流の効率化という観点だけでなく、環境問題という側面から見ても、非常に重要な施策の一つである。
 このため、国土交通省では、大都市圏を通過する交通を迂回させる環状道路・バイパス等の整備や踏切道の改良により渋滞の原因であるボトルネックの解消を図るとともに、関係機関と連携して交通需要マネジメント(TDM)(注1)等ソフト面での施策を併せて推進している。
 このほか、積載効率の向上を目的とし、トラックの自営転換(注2)を進めるとともに、共同集配事業を促進するための施設整備や実証実験を行っている。また、「流通業務市街地の整備に関する法律」に基づき、平成17年3月末までに22都市、29箇所の流通業務市街地が整備された(うち27箇所が稼動中)。
 さらに、地方公共団体の駐車場附置義務条例に荷さばき施設を位置付けるよう促しており、平成17年3月末現在で76自治体において、一定の商業施設等への荷さばき施設の設置義務付けを内容とする条例の改正が実施された。


(注1)都市または地域レベルの道路交通混雑を緩和するため、道路利用者の時間の変更、経路の変更、手段の変更、自動車の効率的利用、発生源の調整等により、交通需要量を調整(=交通行動の調整)する手法
(注2)荷主の自家用トラックから輸送効率の良い営業用トラックへの利用転換を行うこと

 

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