第II部 国土交通行政の動向 

(5)専門工事業、建設関連業等の経営基盤の強化

1)下請セーフティネット債務保証事業
 中小・中堅建設業者の担保力・信用力を補完し、工事途中での資金不足の発生等を防ぎ、さらに下請代金の支払いの適正化を図るため、「下請セーフティネット債務保証事業」を行っている。平成17年9月現在、公共工事用債務保証枠は31都府県で1,450億円、民間工事用債務保証枠は3県で40億円が設定されている。

 
図表II-5-4-17 下請セーフティネット債務保証事業のスキーム図

下請けセーフティーネット債務保証事業とは、もとうけ業者の資金調達の円滑化、下請代金の支払の適正化等を図るため、公共工事や一部の民間工事の請負代金債権を担保にして組合等がもとうけ業者に対し転貸融資を行う際、(財)建設業振興基金が事業協同組合等の借り入れた転貸融資資金に対し債務保証を行う事業である。

2)中小建設業等
 中小・中堅建設業者の継続的協業関係確保による経営力・施工力の強化のため、経常建設共同企業体の活用を促進している。また、中小建設業者等の組織化、事業の共同化を推進しており、平成17年度には事業協同組合等による共同事業の活性化や事業革新活動を促進している。(注)
 さらに、企業連携によるリフォーム分野、環境分野、福祉分野等の新市場開拓についての研究及び情報の提供等を行っている。

3)専門工事業
 専門工事業者は、建設工事を直接施工し、工事の品質確保に対して重要な役割を担うため、その振興・育成が重要な課題である。このため、躯体工事業者、仕上工事業者、設備工事業者、建設関連業者等の各団体の指導を行い、専門工事業団体や建設関連業団体からなる(社)建設産業専門団体連合会と定期的に情報・意見交換を行い、専門工事業者団体等の育成に努めている。

4)建設関連業(測量業、建設コンサルタント、地質調査業)
 建設関連業については、建設投資の厳しい動向の中で、「建設関連業展開戦略」に沿って、各業界が新たな展望等を示すとともに、それぞれの企業が、その特性を生かした経営戦略の下で、技術力と人材を経営資源とする知的産業として、適正な競争市場への参加と新たな業務領域の拡大に努めているところである。
 国土交通省では、建設関連業の登録制度の的確な運用等を通じて、こうした技術力の向上に努めている企業を支援している。


(注)建設業の事業協同組合:4,841組合、協業組合:40組合、企業組合:148組合

 

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