第II部 国土交通行政の動向 

第5節 海洋環境の管理

1 海洋環境の総合管理の推進

 環境に対する世界共通の基本理念は、1992年(平成4年)のリオ地球サミット以来、開発と保全は対立的なものであるとの考え方による単なる「環境保護」ではなく、開発と保全を調和させる「持続可能な開発」が重要であるとの考え方に大きく変化してきている。こうした背景の下で、海洋や沿岸域における質の高い空間や環境の実現のためには、陸域と海域からなる沿岸域について、開発や保全に関する取組みを個別に展開するのではなく、多様な利用・保全の相互の影響性と調和や持続可能性等に配慮した総合的な調整・管理を行うことが重要であるという考え方が世界の主流となってきている。我が国においても、既に東京湾や大阪湾の再生が行われており、今後、このような総合的取組みを一層推進していくことが必要である。

 

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