第II部 国土交通行政の動向 

(2)船舶からの排出ガス対策

 船舶はエネルギー消費効率の面で優れた輸送特性を有しているものの、我が国全体に占めるNOx等の排出シェアが大きいことから、大気汚染防止施策が必要となってきている。船舶は国際的に移動するものであり、規制の実効性を確保するためには、設備や構造に関する基準について国際的に合意された規則を統一的に適用することが非常に重要である。我が国としては、IMOにおける海洋汚染防止条約の改正に対応して、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」等の改正を行い、平成17年5月からNOxの排出規制等を実施している。また、同月より船舶用原動機(130kWを超えるディーゼルエンジン)のNOx放出量の基準適合性の確認を地方運輸局等において実施している。
 さらに、船舶の排出ガスによる環境負荷低減を着実に実施するため、活性炭素繊維(ACF)を活用した高機能排煙処理システムや超臨界水を活用したディーゼル燃焼技術等新技術の研究開発・普及を推進するとともに、IMOにおける船舶からの排出ガスに関する規制の見直しについて検討し、船舶の環境負荷低減のための総合対策を実施している。

 

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