1　国際競争力の高い魅力ある観光地の形成

1)滞在力のある観光地づくり
　「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律（観光圏整備法）」が平成20年7月に施行され、観光地が広域的に連携した「観光圏」を整備し、国内外の観光客が2泊3日以上滞在できるエリアの形成を目指すこととされた。国は地域が連携して行う取組みに対して総合的な支援をしており、観光圏整備事業補助制度^（注）では、民間組織が実施する宿泊魅力向上事業や観光資源活用事業等について、農山漁村活性化プロジェクト交付金による事業と連携しつつ支援を行い、20年度は、観光圏整備実施計画を16件認定した。

　また、観光を軸とした地域づくりの取組みを所管の事業や施策により総合的に支援する観光地域づくり実践プランにおいては、観光圏の形成を図ろうとする地域の立ち上げ段階や、観光圏整備事業の円滑な実施促進に係る社会資本整備事業について支援を行っている。なお、地域の観光まちづくりに関する優れた事例を掲載した事例集を取りまとめ、内外に情報発信し、地域の観光地づくりの取組みをサポートしている。
　さらに、地域の観光関係者と旅行会社の連携・協働による地域の観光魅力を生かした旅行商品の創出を促進するため、20年度も引き続き「観光まちづくりアドバイザリー会議」を全国10ブロックに設置し、15地域の自治体・観光関係団体・ＮＰＯ等に対して集中的なコンサルティングを実施している。
2)「観光地域プロデューサー」モデル事業の実施
　地域一体となった観光振興の取組みを牽引する人材を発掘し育成した上で、その人材を欲している地域への橋渡しを行う「観光地域プロデューサー」モデル事業として、平成20年度は新たに3地域3名を選定し、昨年度選定と合わせて8地域8名となった。また、「観光地域プロデューサー」希望者と地域の情報を一元管理する「観光地域プロデューサー・データベース」の試行的運用を開始した。

（注）地方公共団体が作成する観光圏整備計画に沿って観光整備事業を行う者が観光圏整備実施計画を作成し、国土交通大臣から認定され、さらに第三者委員会である観光圏整備事業検討会の推薦を受け、採択されると、事業経費の補助支援を受けることができる。