第1節 地域活性化に向けた取組み 

第3章 地域活性化の推進

第1節 地域活性化に向けた取組み

 近年、構造改革が進められる中で、地域間の格差といわれる状況が現出しており、内閣においても地方再生は最重要課題として認識され、積極的に取り組んでいくこととされている。平成19年10月に、内閣におかれた地域活性化関係の4本部(都市再生本部、構造改革特別区域推進本部、地域再生本部及び中心市街地活性化本部)の実施体制が統合(注)され、同年11月に策定された「地方再生戦略」に基づき、省庁横断的・施策横断的な取組みが進められている。一方で、世界的な金融危機による株価の低迷、中小企業の資金繰りの悪化等、原油高・原材料高に始まった地域経済への打撃がさらに深刻なものとなる中、20年12月には「地方再生戦略」が改定され、「地域成長力強化」(農林水産業再生、地域産業活性化、観光交流等)、「地域生活基盤の確保」(医療・福祉、情報通信、生活交通等)、「低炭素社会づくり」(CO2削減を目指した地域づくり)を3つの柱とした新たな方針が、21年度に向けて示された。
 また、地域住民や民間団体の創意工夫や発想を起点にしたプロジェクトを立ち上がり段階において支援する「地方の元気再生事業」が20年度に創設され、全国で120件が採択された。また、地方再生の取組みの推進に当たっては、これまで以上に地域の声に耳を傾ける必要があることから、国の相談体制をワンストップ化し、地域ブロックごとに、地方再生の取組みを一貫してフォローする仕組みが構築された。
 地方の活性化に向けては、国土形成計画の枠組みも活用しつつ、地域経済や人々の暮らしを支える基盤として、幹線道路ネットワークの整備、政府・与党申合せに基づく整備新幹線の整備、港湾整備等真に必要な社会資本への集中投資を進めることとしている。また、暮らしの利便性、にぎわいや活力のある地域経済社会の実現に向けて、地方の鉄道、バス、離島航路等の地域公共交通の活性化・再生、交通結節点の改善等、総合的かつ戦略的な交通施策の推進、中心市街地の活性化や都市再生、集約型都市構造への転換、観光振興等の地域の創意工夫あふれる取組みへの支援、適正価格での契約の推進や地域総合産業化支援等による建設業振興を推進していくことが必要である。一方、人口減少・高齢化の著しい地域等に対しては、NPO等の多様な主体が協同する「新たな公」による地域づくり活動等の支援や集落機能活性化による社会的サービスの確保、コミュニティバスの導入支援等による日常生活の足の確保等により、生活者の視点に立った暮らしやすい地域を形成していくこととしている。
 都市再生については、内閣の都市再生本部において、1)国際空港や環状道路の整備等の23の都市再生プロジェクトの推進、2)「都市再生特別措置法」に基づく民間都市再生の推進、3)まちづくり交付金等を活用した全国都市再生の推進に取り組んでいる。


(注)平成19年10月19日の閣議決定により、4本部が合同で会合を開催する場合には地域活性化統合本部会合と総称することとなった。

 

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