5 航空、鉄道、船舶事故等における原因究明と再発防止
運輸安全委員会は、平成19年8月に那覇空港で発生した航空機炎上事故について、主翼のスラットを格納した際、脱落部品により破孔を生じ、そこから燃料が漏れ、火災が発生したと推定されるとの報告書を公表し、製造国政府等に対し、整備作業指示策定に係る指導等について安全勧告を行った。
また、20年2月に神奈川県で発生した鉄道物損事故について、運転士のマスコン操作によらない異常な力行が発生したと推定されるとの報告書を公表し、国土交通大臣に対し、鉄道事業者、車両メーカー等におけるノイズによる車両の誤動作情報の共有と故障防止のノウハウ蓄積をすべき等の意見を述べた。
また、同年9月に新潟県沖で発生した遊漁船沈没事故について、機関の振動等により船底の窓の留め具が折損し同窓が離脱した可能性があるとの報告書を公表し、水産庁長官に対し、遊漁船業者への発航前検査の指導等について意見を述べた。
さらに、公表した報告書の概要や分析結果の解説等を掲載した定期情報誌を発行するなど、同種事故の再発防止に努めている。