コラム 官民協力による下水道の早期復旧
岩手県陸前高田市では、下水道処理区域のうち下水処理場である陸前高田浄化センターを含む沿岸地域が壊滅的被害を受けた一方、高台にある約400世帯は被災を免れた。同浄化センターや汚水中継ポンプ場が被災により機能停止となっていたため、水道の復旧に伴い同地域から発生する汚水の処理が課題となった。
そこで、陸前高田市は3月下旬、日立プラント建設サービス(株)からの提案を受け、移動式の膜分離活性汚泥法(MBR)ユニットの設置を決定した。搬入、据え付け、試験運転を経て設置決定からわずか1ヶ月弱で処理を開始し、MBRという通常より高度な汚水処理により、被災前よりも処理水質が向上することとなった。民間企業の被災地域のニーズに合致した的確な提案と、陸前高田市の迅速な決断が、被災地の衛生環境の確保につながった。