第II部 国土交通行政の動向
第1章 時代の要請にこたえた国土交通行政の展開
第1節 国土交通行政の基軸の構築
1 社会資本整備のマスタープランの策定に向けた取組み
平成22年5月、国土交通省成長戦略会議において、社会資本整備を含む国土交通省の政策について、選択と集中、民間の知恵と資金の活用等、旧来のメカニズムを大きく転換するべきとの提言がなされた。
あわせて、限られた公共事業予算の効果的・効率的な活用等、公共事業の進め方について抜本的に見直すとともに、治水、高速道路、港湾、空港等、個別の分野ごとに今後の整備等のあり方について見直しが進められている。
一方で、国民生活や産業基盤を支えるために真に必要な社会資本整備については、戦略的に実施していくことが必要である。
そのため、現在、社会資本整備を進める上での指針となる社会資本整備重点計画の見直しを進めているところであり、同年12月には、社会資本整備審議会・交通政策審議会の計画部会において、新たな社会資本整備重点計画の骨子が取りまとめられた。
新たな社会資本整備重点計画の骨子では、国土、生活、産業・活力の3つの基本的な政策分野に即した社会資本整備の目指す姿を、国民に対して、よりわかりやすい形で提示すること、また、厳しい財政状況の下で、事業を実施する上での選択と集中の視点や、さらには、重点計画の実効性を確保するための新しい手法についても盛り込むこととされた。
さらに、東日本大震災を踏まえた今後の社会資本整備のあり方について、23年夏までに中間とりまとめを行う予定である。