第2節 観光立国の実現に向けた取組み 

コラム 国際的に評価される我が国の観光統計

 観光は、その場で財・サービスが消費されるという特性を持っており、関連産業も多岐にわたっています。そのため、地域における経済や雇用に大きく貢献する「産業分野」として世界的にも注目されています。しかしながら、これらの効果に関しては、定量的に測定する方法が十分に確立されてきませんでした。
 そのような問題意識を背景に、観光が地域経済に及ぼす影響を科学的に分析することを目的に、世界観光機関の後援の下、MOVE2011という国際会議が平成23年10月にスペイン・ビルバオで開催されました。
 MOVE2011では、各国の担当者が、この分野における先進的な事例や手法を発表し、活発な議論が行われました。観光庁もこの会議に発表者として参加し、観光経済の実態を把握するための統計として、我が国が取り組んでいる「共通基準による観光入込客統計」と「観光地域経済調査」を紹介しました。
 個別のケーススタディの紹介が多い中で、我が国が紹介した各都道府県の観光入込客数や消費単価を共通基準で把握する手法や、産業ごとの観光売上高比率、観光産業の地元仕入比率等が体系的に把握できる手法は各国の注目を集め、我が国の観光統計に対する関心の高さがうかがえました。今回の観光庁の発表に関しては、大変意欲的な取組みであるとして世界観光機関事務局からも、非常に高い評価を得るとともに、今後の観光統計整備に関して指導的な立場を発揮してほしいとの講評もいただきました。
 観光統計の整備に関しては、国際的にはまだまだ発展途上の段階ではありますが、観光庁としては今後とも国際的に貢献すべく、このような会議で積極的に我が国の観光統計を紹介していきたいと考えています。
 


 

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