第2節 住まい方の変化

コラム ライフサイクルの将来予想

 進学率の上昇、未婚化・晩婚化・晩産化の進展、定年の延長、平均寿命の伸長。これらは我々の社会全体の変化を示すものですが、これらの変化を形作っている我々ひとりひとりのライフサイクルに立ち返ったとき、我々の「典型的な」ライフサイクルというものはどのように変化してきているのでしょうか。ここでは、1950年生まれ、1980年生まれ、2000年生まれの世代を取り上げ、ライフサイクルの変化を見ることにします。
 1950年生まれの男性については、高校卒業後の18歳で就職、28歳で結婚、29歳で第一子を持ち、60歳で定年を迎えた後、老後の期間を15年過ごし、75歳で生涯を終えるというのが平均的なライフサイクルでした。しかし、1980年生まれ、2000年生まれと、近年生まれた世代になればなるほど、進学率の高まりによる就業年齢の高齢化、晩婚化、定年の延長による就業期間の長期化、平均寿命の伸長によるライフスパンの拡大により、ライフサイクルのそれぞれの節目に当たる年齢が後ろ倒しされることが見込まれます。また、結婚をするかしないか、子供を持つか持たないかの選択により、異なるライフスタイルを経験することになるため、圧倒的多数が経験するライフスタイルというものが存在せず、複数の形のライフスタイルが並立して存在することになります。
 まず、結婚をするかしないかでライフスタイルを大きく2つに分けることができます。1950年生まれの男性では結婚をするのが平均的なライフスタイルでしたが、1980年生まれ、2000年生まれの世代では、結婚をせず生涯未婚を選択する者も増えてきています。
 次に、結婚をする者の中でも、子どもを持つか持たないかで異なるライフスタイルを選択することになります。1950年生まれの男性では子どもを持つのが平均的なライフスタイルでしたが、1980年生まれ、2000年生まれの世代では、子どもを持たない者も増えてきています。女性についてもこれらと同様の傾向が見られます。
 
年代別の平均的なライフサイクルとその分化
年代別の平均的なライフサイクルとその分化


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む