第II部 国土交通行政の動向
第1章 東日本大震災からの復旧・復興に向けた取組み
第1節 復旧・復興の現状と対応策
東日本大震災からの復興の加速は、国土交通省の最優先課題の一つである。発災当初は約47万人に上った避難者は減少したが、今なお、約31万人注1の方々が47都道府県、約1,200市町村注2において避難生活を続けられている。国土交通省としては、これらの被災者の方々が復興を実感できる取組みを進めていく。
また、国土交通省は、地方整備局、地方運輸局、海上保安庁、気象庁等のそれぞれの現場において、被災地の声をしっかりと受けとめ、国土交通省が一丸となって、現場の要望に迅速に対応することとしている。その取組みの一つとして、平成25年1月に、3人の大臣政務官ごとに担当する県を決め、被災地からの要望に対応する「被災地要望対応支援チーム」を設置したところである。
道路・港湾等の基幹インフラの応急復旧は、家屋等流出地域や原子力災害の避難指示区域等の一部を除き、速やかに完了しており、本格復旧についても順調に進んでいる。一方、高台移転・災害公営住宅の整備等まちづくり・住宅再建については、更なる加速化が必要である。このため、25年3月に策定された「住宅再建・復興まちづくりの加速化に向けた施策パッケージ」を踏まえ、住まいの復興工程表に基づき、事業のスピードアップを図るとともに、加速化のための措置を着実に実施し、被災市町村それぞれの事情に応じた隘路を打開していく。
また、工程表の遂行に当たっては、技術者・技能者の不足、生コン等資材の不足、入札不調、用地取得等様々な課題があるが、このような課題を解決し、迅速かつ円滑に事業を執行するため、各種の対策を実施することとしている。