第2節 自然災害対策

コラム 深層崩壊対策への取組み

 深層崩壊とは、山地及び丘陵地の斜面の一部が表土層(風化の進んだ層)だけでなく、その下の基盤まで崩壊する現象です。深層崩壊は土砂災害の中でも発生頻度が低いですが、崩壊規模が比較的大きいことが多く、平成20年岩手・宮城内陸地震や平成23年台風第12号による紀伊半島における河道閉塞等、大きな被害を引き起こすことが多いため、更なる調査研究や防災対策を進める必要がありました。
 そこで、22年8月に過去の深層崩壊発生箇所と地形・地質条件との関連を統計的に分析した「深層崩壊推定頻度マップ」を公表し、さらに、24年9月、深層崩壊の推定頻度が特に高い地域を中心に、地質条件等が同質の一定区域内における深層崩壊の相対的な危険度を示した「深層崩壊渓流レベル評価マップ」を公表しました。
 深層崩壊に対する今後の取組みとして、深層崩壊推定頻度マップにおいて深層崩壊の発生推定頻度が特に高いと評価された地域を中心に、深層崩壊の警戒避難体制の強化に向けて大規模な崩壊の発生を検知するセンサーの設置を進めます。あわせて、モデル地区を設定し、深層崩壊渓流レベル評価マップを用いて、適切な避難路、避難場所及び避難方法を設定するなどの警戒避難体制の整備や対策の優先順位の設定等、深層崩壊に対するハード対策及びソフト対策の検討を行っていきます。

 
深層崩壊推定頻度マップ

 
深層崩壊で生じた崩壊土砂による被害(奈良県五條市、平成23年9月)
深層崩壊で生じた崩壊土砂による被害(奈良県五條市、平成23年9月)

 
深層崩壊渓流レベル評価マップ


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