第2節 自然災害対策

コラム 記録的な大雨に関する気象情報の提供

1.記録的な大雨に関する気象情報の発表
 平成24年7月11日から14日にかけて九州北部地方に甚大な災害をもたらした「平成24年7月九州北部豪雨」が発生し、その中で気象庁は、“これまでに経験したことのないような大雨”という表現を使った「記録的な大雨に関する気象情報」を初めて発表しました。この情報は、各地の洪水等の映像と共に報道で大きく取り上げられました。

2.記録的な大雨に関する気象情報の運用に至るまで
 紀伊半島を中心に甚大な被害をもたらした平成23年台風第12号による大雨に際して、各地の気象台は大雨警報や土砂災害警戒情報を発表し、さらに、降り続く大雨に対して気象情報で防災機関や住民に最大級の警戒を呼びかけました。しかし、市町村への事後の聞き取り調査によって、これらの情報では気象台の持つ危機感が防災機関や住民に十分伝わっていなかったという課題が明らかとなりました。
 この課題に対して直ちに実施できる改善として、平成24年6月27日より「記録的な大雨に関する気象情報」の発表を開始しました。

3.記録的な大雨に関する気象情報とは?
 気象台では、気象警報・注意報に先だって1日から数日程度前から注意を呼びかけたり気象警報・注意報を補完するために気象情報を発表します。一方、重大な災害が差し迫っている状況では、防災機関において情報が輻輳し、気象台の発表する気象情報の内容を吟味している余裕がないという指摘があります。そこで、非常に切迫した状況に対して、数値等を極力用いず、危機感を訴える短い文章のみによる気象情報を作成することにしました。この気象情報の一つが「記録的な大雨に関する気象情報」です。
 この気象情報は、おおよそ50年に1度程度という非常にまれな大雨が広い範囲で降り続く場合に発表します。

 
コラム:記録的な大雨に関する気象情報の提供の図


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