第2節 循環型社会の形成促進

1 建設リサイクルの推進

 建設廃棄物は、全産業廃棄物排出量の約2割、最終処分量の約2割、不法投棄量の約6割を占め、その発生抑制、リサイクルの促進は重要な課題である。平成22年度の建設廃棄物の排出量は全国で約7,300万トン、20年度の再資源化等率は93.7%であり、17年度の92.2%と比較して向上しているものの、再資源化等率を高い水準で確保するため、引き続き取組みが必要である。
 下水汚泥についても、全産業廃棄物排出量の約2割を占め、22年度の排出量は約7,200万トンであり、その減量化、リサイクルの推進に取り組んでいる。

 
図表II-8-2-1 産業廃棄物の分野別排出量と建設副産物の品目別再資源化率
図表II-8-2-1 産業廃棄物の分野別排出量と建設副産物の品目別再資源化率
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(1)建設リサイクルの推進

 「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」に基づき、全国一斉パトロール等による法の適正な実施の確保に努めている。
 また、「建設リサイクル制度の施行状況の評価・検討について とりまとめ」の中で指摘されている石膏ボードの分別解体の徹底等、様々な課題を克服するため必要な検討調査を行い、建設リサイクルの促進を図ることとしている。建設リサイクルを取り巻く課題として、再資源化率が低い品目があること、発生抑制やリサイクルの「質」の向上への取組みが不十分であること、依然として建設関係の不法投棄が多いことなどが挙げられる。そこで、関係者の意識向上と連携強化や他の環境政策との統合的展開を図り、民間主体の創造的取組みを軸とした建設リサイクル市場の育成を基本的考え方とする「建設リサイクル推進計画2008」を推進している。

 
図表II-8-2-2 建設リサイクルの取組み事例
図表II-8-2-2 建設リサイクルの取組み事例

(2)下水汚泥の減量化・リサイクルの推進

 下水汚泥のリサイクルを推進(平成22年度リサイクル率78%)し、処理過程で発生するバイオガスの発電利用や天然ガス自動車への燃料利用、下水汚泥の固形燃料化等によるエネルギー利用や、下水・下水汚泥からのリンの回収・活用を進めている。さらに、下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)により、下水道資源を有効利用する革新的な技術及びシステムの開発を進めている。


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