第3節 将来を見越した取組み

◯2 建設工事の適正な施工と担い手の確保

 社会インフラの維持管理・更新を実施していくためには、その担い手たる建設業者の人材が不可欠であり、国土交通省ではその確保に向けて取組みを進めている。
 2014年1月の中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会基本問題小委員会における「当面講ずべき施策のとりまとめ」も踏まえ、維持管理・更新も含めた工事の適正な施工とその担い手確保や、そのために必要なダンピング受注の防止等を目的として、建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)等を改正する「建設業法等の一部を改正する法律」が2014年5月に成立した。同法においては、ダンピング防止を公共工事の入札契約適正化の柱として追加し、入札の際の入札金額の内訳の提出を求めるとともに、建設業者団体による担い手の育成・確保及び国土交通大臣による支援の責務等を規定している。あわせて、2014年5月に成立した「公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律」においても、基本理念に中長期的な担い手確保を明確に位置づけるとともに、発注者に対し予定価格の適正な設定や実効性のあるダンピング対策を求めることとされている。
 また、解体工事については、本格的な維持更新時代の到来に伴い、一定の工事量が見込まれている一方で、重大な公衆災害の発生や環境等の視点からの課題が大きく、適切な施工体制を確保することが急務となっている。そこで、解体工事について、事故を防ぎ、工事の質を確保するため、建設業の許可に係る業種区分のなかに解体工事業を新設し、必要な実務経験や資格のある技術者が配置されるよう措置している。
 なお、国土交通省では、2014年1月に「建設産業活性化会議」を開催(座長:木副大臣)し、短期及び中長期といった時間軸に分けて講ずべき施策の検討を進めており、本会議での検討結果を踏まえて建設産業の担い手確保・育成に一層取り組んでいくこととしている。


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む