まとめ
以上のように、「賢く使う」「みんなで支える」「将来を見越す」という視点から、現在、様々な取組みが進められているところであり、これらの効果が発揮されるよう着実に取り組んでいくことが必要である。また、それと同時に将来に向けて更なる検討を進めていくことも重要である。
「賢く使う」という観点からは、道路法の改正等の取組みを紹介したが、第2章でも述べたように、国土交通に係る幅広い分野において社会インフラを賢く使うための仕組みや工夫について検討を進めていくことが必要であり、特に、社会インフラの利用者や社会インフラを活用してサービスを提供する事業者をより効率的な方法で選択する仕組みの活用を様々な局面において検討していくことが求められる。
「みんなで支える」という点では、空港等におけるコンセッション方式の導入、包括的民間委託の活用拡大等について紹介したが、更なる推進にむけて、例えば、包括的民間委託については様々な分野や複数の分野を対象にした包括的民間委託の検討、住民参加については参加意識を高めつつ千葉レポのように参画しやすくなるような仕組みづくり等を進めることが必要と考えられる。
「将来を見越す」という視点からは、地方公共団体における長寿命化やライフサイクルコストを考慮した取組みを支援していくとともに、社会インフラの維持管理・更新の担い手をしっかりと確保できるような環境づくりを進めることも求められる。そのためには、国や地方公共団体間の連携や、建設業が長期的に人材の確保・育成に取り組めるような工夫が必要である。また、その一方で、どの社会インフラを統廃合し、どのように維持管理・更新するのかを、地域住民が将来世代の負担も踏まえて選択・判断できるよう、行政の側からも社会インフラの現状や将来の見通しについて積極的に情報提供していくことが必要であろう。
将来世代に我々が何を残すか、常にそのことを意識して社会インフラの維持管理・更新に取り組んでいくことが求められている。