◯3 外国人旅行者の受入の改善
2020年に向けて、訪日外国人旅行者数2,000万人の高みを目指していくためには、訪日外国人旅行者の快適・円滑な移動・滞在のための環境整備を図ることによって、訪日外国人旅行者が日本に来てよかったと満足して帰国し、リピーターとして再度訪日することが極めて重要である。
このため、平成25年度は、6月に決定された「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」に基づき、美術館、博物館、自然公園、観光地、道路、公共交通機関等において、外国人目線に立った共通ガイドラインの策定等により、多言語対応の改善・強化に取り組んだ。また、これまで戦略拠点・地方拠点として選定された全国49拠点で、外国人留学生等と協力しながら、道路案内標識が外国人旅行者にも分かりやすいものとなるよう、「ローマ字」から「英語」への改善に先行的に取り組んでいる。併せて、空港や港での出入国手続の迅速化・円滑化、個人旅行者の増大に対応した公共交通の利便性向上、無料公衆無線LANの自主的整備の促進、海外発行クレジットカードに対応したATMの設置の促進、ムスリム旅行者の受入環境整備等に取り組んだ。
また、全国49拠点のうち、25年度は15拠点で受入環境整備事業を行い、これら地域での先進的な受入環境の整備と他地域への普及を図り、地域における訪日外国人旅行者の受入環境整備を促進した。
さらに、訪日外国人旅行者が安心して日本を訪れ、滞在を楽しむことができるよう、地震・津波等の災害時における訪日外国人旅行者への初動対応体制を構築すべく、宿泊施設・観光施設における訪日外国人旅行者への対応マニュアルの作成や、IT(アプリ)を活用した訪日外国人旅行者への情報提供システムの整備、地方公共団体が訪日外国人旅行者への対応を地域防災計画等に盛り込むための指針の作成等に取り組んだ。
通訳案内士については、訪日外国人旅行者のニーズの多様化に的確に対応するため、通訳案内士試験の筆記試験の免除対象拡大や準会場制度の導入など、通訳案内士制度の改善・充実を図った。さらに、「総合特別区域法」等に基づく通訳案内士以外の者による有償ガイド行為を可能とする特例措置の着実な実施を図った。