コラム JR北海道の安全確保に向けて
平成25年9月に、JR北海道函館線大沼駅構内において、JR貨物の貨物列車の脱線事故が発生しました。
この事故を契機として、JR北海道では、脱線事故現場を含め多数の現場において、整備基準値を超える軌道変位を補修することなく放置していたことが判明し、さらに、検査データを改ざんするという鉄道事業者としてあってはならない事態が発覚しました。
国土交通省では、JR北海道の問題点を洗い出すため、従来の土木、電気、車両、運転の技術部門に加え、経営体制を含む幅広い観点から、また、期限を設けず無通告での実施という方法も一部採用して、3回にわたる異例の特別保安監査を実施しました。
この特別保安監査の結果については、総合的かつ抜本的な対策を講ずるため、「JR北海道の安全確保のために講ずべき措置―JR北海道の再生へ―」として取りまとめ、26年1月に公表しました。JR北海道において必要な措置を速やかに講ずるよう「鉄道事業法」に基づく事業改善命令及びJR会社法に基づく監督命令を行うとともに、その実行性を確保するため26年1月から5年程度の間、常設の監査体制を整備するなどの対応をとっています。
JR北海道が運営する鉄道は、北海道の生活・経済を支える基幹的な輸送機関であり、直ちに代替し得るものがないため、JR北海道において、日々の輸送の安全をしっかりと確保するとともに、総合的かつ抜本的な措置の着実な実行を確保し、JR北海道の再生を図って参ります。