第6節 領土・領海の堅守

コラム 西之島の噴火で拡がる領海

 平成25年11月20日に小笠原諸島の西之島南東約500m沖で西之島火山が39年ぶりに噴火し、新たな陸地が形成されて以降、1年以上に亘って活発な噴火活動が継続しています。
 海上保安庁では、噴火直後から航行警報を発出することによって付近航行船舶に注意を呼びかけております。また、航空機による観測を定期的に行い、観測結果を広報するとともに、火山噴火予知連絡会に報告し、噴火災害の防止に努めております。
 25年11月20日以降、新たな陸地は流出した溶岩により拡大を続け、同年12月26日には旧西之島と一体となりました。その後も活発な火山活動による陸地の拡大は継続し、27年3月25日時点で西之島の面積は約2.5km2(旧西之島を含む)まで拡大しています。海域火山の噴火活動が1年以上も継続することは世界的に見ても大変珍しい現象であり、火山の専門家も今後の活動を注目しています。
 西之島の拡大に伴い、我が国の領海、排他的経済水域が拡大する可能性があります。領海は、海上保安庁が刊行する海図に記載される低潮線から12海里まで(排他的経済水域は200海里まで)となります。今後、火山活動が沈静化し、安全が確認された段階で、精密な水路測量を実施し、新たな低潮線を確定する予定です。測量結果に基づき、拡大した西之島を海図に記載した段階で、領海等の新たな範囲が確定することになります。
 海上保安庁は今後も西之島の火山活動の観測を続けていきます。
 
噴火の様子及び西之島変化図
噴火の様子及び西之島変化図


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