第2節 自然災害対策

コラム 平成27年の主な火山活動と気象庁の対応

 平成27年を振り返ると、口永良部島、箱根山、阿蘇山等の火山で活発な活動が見られました。本コラムではこれらの火山の活動状況と気象庁の対応について記します。

○口永良部島
 口永良部島では5月29日09時59分に爆発的噴火が発生し、気象庁は同日10時07分に噴火警報を発表して噴火警戒レベルを3(入山規制)から運用開始以来初の5(避難)に引き上げました。これを受け、屋久島町は避難指示を発令し、口永良部島の全住民は島外へ避難しました。
 
平成27年5月29日 口永良部島噴火の様子(本村西遠望カメラ)
平成27年5月29日 口永良部島噴火の様子(本村西遠望カメラ)

 3月下旬から気象庁職員が口永良部島に常駐し、気象庁機動調査班(JMA-MOT)による現地調査や火山の活動状況の住民説明を実施しました。噴火後は、屋久島に常駐し、火山の活動状況の解説等口永良部島入島に係る支援等を行いました。また、地震計、空振計などの火山観測機器を増設しました。
 10月21日に噴火警戒レベル5を継続しつつ、避難等の厳重な警戒が必要な範囲を、新岳火口からおおむね2kmの範囲、西側についてはおおむね2.5kmの範囲に限定する噴火警報を発表しました。これを受けて12月25日に屋久島町は口永良部島の一部を除き避難指示を解除し、島民の帰島が実施されました。
 
気象庁の対応
気象庁の対応

○箱根山
 大涌谷周辺(箱根山)では、4月下旬から火山活動が活発になり、大涌谷周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性が高まったため、気象庁は5月6日06時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げました。
 さらに、6月30日に大涌谷でごく小規模な噴火を確認したことから、同日12時30分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2から3(入山規制)に引き上げました。6月30日から気象庁職員が箱根町に常駐し、現地調査や箱根町への火山活動の状況の解説などを行いました。
 その後、火山活動は低下したため、9月11日に火口周辺警報を発表して噴火警戒レベルを3から2に引き下げ、11月20日に火口周辺警報を解除して噴火警戒レベルを2から1(活火山であることに留意)に引き下げました。

○阿蘇山
 阿蘇山では9月14日09時43分に中岳第一火口で小規模な噴火が発生しました。この噴火に伴い、気象庁は09時50分に発表し、10時10分に火口周辺警報を発表して噴火警戒レベルを2から3に引き上げました。噴火速報を発表したのは、8月4日に運用開始して以来、初めてでした。
 その後、火山活動が低下したことから、11月24日14時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3から2に引き下げました。


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