■1 災害の状況
2016年5月16日9時時点の気象庁発表によれば、同年4月14日21時26分の地震以降、震度7が2回、震度6強が2回、震度6弱が3回発生し、震度1以上の地震は1,464注2回に及んでいる。非常に多くの地震が今も続いており、被災地の復旧・復興の阻害要因になっている。
国土地理院の観測によると、地殻変動から推定された断層面は長さ約35kmの右横ずれ断層であり、布田川断層の北西側では最大2m程度の沈降が起きている。
熊本地震により、死者は49名注3に達し、避難者は最大で19万人を超えた。また、家屋の損壊や土砂災害、回送中の九州新幹線の脱線、道路の通行止め等の交通インフラの被害のほか、電気、ガス等のライフライン関係の被害が多数発生するなど、甚大な被害をもたらした。
更に、自動車関連企業の工場が操業停止するなど、サプライチェーンの寸断を招き、企業活動にも多くの影響を及ぼした。