第2節 自然災害対策

コラム 実効性のある避難を確保するための警戒避難体制の強化の取組み

 平成30年7月豪雨では、広島県、愛媛県を中心に2,500件を超える土砂災害発生件数を記録し、土石流やがけ崩れなどにより死者が119名にのぼるなど甚大な被害が生じました。今回の災害では、土砂災害警戒区域等の指定や土砂災害警戒情報等を受けた避難勧告等が概ねなされていたにも関わらず、多数の犠牲者が発生しました。
 このため、国土交通省では今回の土砂災害における被害実態やこれまでの取組みを検証するとともに今後の対策を検討するため「実効性のある避難を確保するための土砂災害対策検討委員会」を設置しました。
 委員会による検討の結果、これまでの取組みの方向性は良いものの、住民が災害リスクを十分理解していないことにより避難行動をとっていない可能性があること、避難により死傷者が出なかった地区における災害時に高齢者を支援する担当者を事前に決めておく取組みが自治体内の他地区には拡大していなかったことなど、土砂災害警戒情報、土砂災害警戒区域、避難行動等に関する検証結果を整理し、実効性のある避難を確保するために取り組むべき施策を次のとおりとりまとめました。
 
土砂災害警戒情報の発表状況

【実効性のある避難を確保するために取り組むべき施策】
 1)土砂災害警戒情報の精度向上等
 2)土砂災害警戒区域等の認知度の向上等
 3)市町村の防災力向上の支援体制の構築
 4)地区防災計画に基づく警戒避難体制の構築
 5)地区防災計画と連携した砂防施設の整備
 6)その他の平成30年7月豪雨の士砂災害の特徴を踏まえた対策のあり方
 
実効性のある避難を確保するために取り組むべき施策

 とりまとめた施策について、可能なことから速やかに実行に移していくこととしており、令和元年度も引き続き、警戒避難体制等の充実強化を推進していきます。


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む