第2節 自然災害対策

コラム 高速道路4車線化による効果について

1.高速道路の被災状況
 平成30年7月豪雨は、九州、中国、四国、近畿、東海地方の多くの地点で記録的な大雨となりました。高速道路では24路線が被災し、被災による通行止めが約700kmに及びました。東西の大動脈である山陽道では、広島県内の本郷IC〜広島東IC間の複数箇所において、道路区域外から多量の土砂・流木が流入し通行止めとなりました。また、高知道では、新宮IC〜大豊IC間において沿道斜面からの崩落土砂により、上り線の橋梁上部工が押し流される大きな被害を受けました。
 
高速道路の被災状況

2.高速道路4車線化による効果について
 高速道路は災害時の人命救助や被災地への支援物資輸送のため、早急な交通開放と円滑な交通の確保が求められます。
 本線に土砂・流木が流入し、通行不能となった山陽道(河内IC〜広島IC)では、片側2車線のうち1車線を優先的に啓開することにより被災後3日でコンビニ等への物資輸送車両を通行可能とし、7日で一般車両に通行開放することができました。
 また、上り線橋梁上部工が流出した高知道は、4車線であったことから、被災のない下り線を対面通行とすることにより、通行止めから1週間で交通機能を確保することができました。
 このように、今回の豪雨被害において、高速道路が4車線であったことにより、迅速な応急復旧を行い、早期に交通機能を確保することができました。
 
山陽道片側1車線の優先啓開
山陽道片側1車線の優先啓開

 
高知道下り線を利用した対面通行
高知道下り線を利用した対面通行


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