■3 地理空間情報を高度に活用する社会の実現
誰もがいつでもどこでも必要な地理空間情報注1を活用できる「G空間社会(地理空間情報高度活用社会)」の実現のため、平成29年3月に閣議決定された「地理空間情報活用推進基本計画」に基づき、ICT等の技術を用いて、地理空間情報の更に高度な利活用に向けた取組みを推進している。
(1)社会の基盤となる地理空間情報の整備・更新
電子地図上の位置の基準として共通に使用される基盤地図情報注2及び国土管理等に必要な情報を付加した国の基本図である電子国土基本図注3について、関係行政機関等と連携して迅速な整備・更新を進めている。また、空中写真、地名に関する情報や国土数値情報、電子基準点による地殻変動の常時監視、都市計画基礎調査により得られたデータの利用・提供ガイドラインの作成等、国土に関する様々な情報の整備を行っている。さらに、今後の災害に備えたハザードマップ整備のための基礎資料となる地形分類等の情報整備、発災時における空中写真の緊急撮影等、迅速な国土の情報の把握及び提供を可能とする体制の整備等を行っている。
(2)地理空間情報の活用促進に向けた取組み
各主体が整備する様々な地理空間情報の集約・提供を行うG空間情報センターを中核とした地理空間情報の流通の推進、Web上での重ね合わせができる地理院地図注4の充実等、社会全体での地理空間情報の共有と相互利用を更に促進するための取組みを推進している。さらに、近年激甚化しつつ多発する自然災害を受け、地形や明治期の低湿地データ、地形分類図など地理院地図を通じて提供する地理空間情報が、地域における自然災害へのリスクを把握する上で極めて有用であることから、防災・減災の実現等につながるそれらの地理空間情報の活用力の向上を意図して、地理院地図の普及活動を行った。具体的には、国土地理院地方測量部等による出前授業や教員研修の支援、教科書出版社への説明会、サマースクール等を実施した。また、地理空間情報を活用した技術を社会実装するためのG空間プロジェクトの推進のほか、産学官連携による「G空間EXPO2018」の開催(平成30年11月)など、更なる普及・人材育成の取組みを行った。