第I部 進行する地球温暖化とわたしたちのくらし〜地球温暖化対策に向けた国土交通行政の展開〜 

2 気候変動の予測

 気象庁では、気候変動の予測について、気象研究所の「全球気候モデル」(注)等を使った研究により、地球温暖化に伴い21世紀末には熱帯低気圧の強度が増大したり大雨の頻度が増加するなどの予測結果を公表している。また、日本付近の精度の高い地域気候モデルを開発し、21世紀末の詳細な予測結果を公表している。第1章で紹介した日本の気温上昇や降水量の変化は、このモデルによって予測している。
 こうした成果は、地球温暖化が人間社会にもたらす深刻な影響を示唆するものとして、IPCC第4次評価報告書に取り上げられており、また、観測・監視結果とともに、地球温暖化の影響評価、適応・緩和策のための基礎資料として、我が国のみならず世界で活用されている。
 
気象研究所全球気候モデルによる予測事例(現在と2081〜2100年の年平均地上気温との変化)

気象研究所全球気候モデルによる予測事例(現在と2081〜2100年の年平均地上気温との変化)


(注)大気や海洋の変化をコンピュータで計算し、将来の地球全体の気候を予測するためのプログラム

 

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