第II部 国土交通行政の動向 

コラム 大阪湾諸港の一開港化 〜「阪神港」の誕生〜

 大阪湾諸港は、港則法及び関税法上、大阪港、尼崎西宮芦屋港、神戸港の3港に分かれていましたが、港則法施行令の一部を改正する政令(平成19年政令第327号)により、19年12月1日に3港とその区域が阪神港として統合されました。
 大阪湾諸港では、アジア域内との近接性から多くの船舶が湾内の複数港に寄港しており、統合以前、これら船舶は、港ごとにとん税及び特別とん税を納付していました。このため、関西では、18年3月に産学官関係者からなる国際物流戦略チームにおいて「広域連携を通じた国際競争力強化に向けた提言」を取りまとめ、施策として、入港料の低減等と併せ、とん税及び特別とん税の軽減等に資する一開港化の実現など大阪湾諸港の包括的な連携施策の具体化に向けて取り組んできました。
 そこで、国土交通省、海上保安庁及び財務省では、地元において取り組まれている大阪湾諸港の包括的な連携施策が具体化した後も船舶交通量が増加、特に港間航行が増加していくことが見込まれることから、港則法上の3港全体を一元的に運用することにより、より効果的・効率的に港内の船舶交通の安全及び整とんを図るとともに、関税法上においても、一開港化を実現することとしました。これにより、湾内2港以上に寄港する外国貿易船は、これまで寄港ごとに納付していたとん税、特別とん税が1港分に軽減され、コスト低減及び手続の簡素化の効果を受けることができます。また、19年4月1日から港湾管理者が連携して入港料を1/2に減免されるなど、一開港化を契機とした大阪湾諸港の更なる連携強化が進展することによって、国際競争力の強化が期待されています。

 

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