第II部 国土交通行政の動向 

第2節 循環型社会の形成促進

1 建設リサイクル等の推進

 全産業廃棄物排出量の約2割、最終処分量の約2割、不法投棄量の約7割を占める建設廃棄物の発生抑制、リサイクルの促進は緊急の課題である。平成17年度の建設廃棄物の排出量は、全国で7,700万トンであり、再資源化等率は92.2%と、7年度の58%と比較すると大幅に向上しているが、品目別に見ると、建設発生木材、建設混合廃棄物及び建設汚泥の再資源化等率は、他に比べて低くとどまっており、更なる取組みが必要である。
 さらに、全産業廃棄物排出量の約2割に当たる、約8,000万トン(17年度)の下水汚泥についても、その減量化、リサイクルの推進に取り組んでいる。
 
図表II-7-2-1 建築廃棄物の品目別リサイクル率

図表II-7-2-1 建築廃棄物の品目別リサイクル率
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(1)建設リサイクルの推進
 平成19年度末、対象建設工事の事前届出件数は約115万件、解体工事業者の登録数は約7,800業者となった。「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」の施行に当たり、全国一斉パトロールの実施、届出済みシールの交付等の取組みにより、工事現場の指導・監督等が行われている。また、「建設発生土等の有効利用に関する行動計画」等を策定している。
 建設リサイクルの基本的な考え方、目標などを盛り込む「建設リサイクル推進計画2002」が17年度を当面の目標年度としていたことから、新たな計画の策定のため、社会資本整備審議会及び交通政策審議会に「建設リサイクル推進施策検討小委員会」を設置し、20年3月に委員会報告書がとりまとめられた。本報告書では、1)これまでの施策経緯、2)新たな施策の中長期的方向性、3)建設リサイクル推進を支える横断的取組み、4)建設リサイクル推進に当たっての個別課題に対する主要な取組みについて提言された。これを受け、国土交通省では新たな建設リサイクル推進計画を策定する。
 
図表II-7-2-2 建設リサイクル推進施策検討小委員会報告書

図表II-7-2-2 建設リサイクル推進施策検討小委員会報告書

(2)下水汚泥の減量化・リサイクルの推進
 下水汚泥は、脱水・焼却等の減量化や集約処理等の処理の効率化を図っている。また、建設資材化等のリサイクルや(平成17年度リサイクル率70%)、処理過程で発生するバイオガスの発電利用や天然ガス自動車の燃料化、下水汚泥の固形燃料化等エネルギー利用も進めている。さらに、一層促進するため、下水汚泥資源化・先端技術誘導プロジェクト(LOTUS Project)を推進している。

(3)住宅・建築分野における廃棄物対策
 建築系廃棄物である建設発生木材の再資源化等率は、縮減を含めて約9割程度にとどまっており、1)地方公共団体等のリサイクルに関する取組みへの支援、2)住宅性能表示制度による劣化対策等に係る情報提供等により、住宅・建築物におけるリサイクル対策等を推進している。

 

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