国土交通白書 2020

（1）インフラの維持管理・更新への意識

（インフラの老朽化による問題）

　国民意識調査において、老朽化したインフラに対して維持管理・更新が十分にされない場合に、どのような問題が生じると思うかを尋ねたところ、「災害に対する危険性が高まる」が約7割と最も高く、次いで「地域から人が出ていく」、「日常生活に支障が生じる」、「地域産業が衰退する」が約5割という結果であった（図表I-3-2-6）。インフラに対しては、地域の維持や日常生活の維持等の様々な機能が求められている中、防災機能が最も重視されているという結果であった。

（維持管理・更新のための対策）

　また、人口減少や財政状態の悪化等によりインフラの維持管理・更新が現状のままでは困難になったときに実施すべき対策について尋ねたところ、「廃止・縮小」、「利用料金の引上げ・増税」、「サービス水準の引下げ」のいずれの質問に対しても、「実施すべきではない」または「どちらかというと実施すべきではない」と回答した人の割合は「実施すべき」または「どちらかというと実施すべき」と回答した人の割合よりも高く、経済的負担の増加や利便性の低下は避けたいと考えている人が多いと考えられる（図表I-3-2-7）。