国土交通省ロゴ

国土交通白書 2020

第8節 水循環政策の推進

コラム 第4回アジア・太平洋水サミット~熊本開催~

 アジア太平洋地域の49か国の首脳などハイレベルな参加者が、地域の水に関する諸問題について幅広い視点から議論を行う、第4回アジア・太平洋水サミットがアジア・太平洋水フォーラム及び熊本市の共催により、熊本市で開催される予定です。

 第1回サミットは、平成19年12月に大分県別府市で開催され、我が国からは、皇太子殿下(当時)がご臨席されたほか、福田内閣総理大臣(当時)等が参加しました。

 今回のサミットのテーマである「持続可能な発展のための水~実践と継承~」の下での議論の成果は、27年9月に国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成に大きく寄与するものです。

 開催地の熊本は、地域の11市町村が地下水盆を共有し、生活用水のほぼ100%を地下水でまかなうなど、豊富な地下水の恵みに支えられてきました。しかし、1970年代に地下水位の低下や湧水量の減少が表面化し、以来、地下水保全の機運が高まり、住民・企業・行政などの参加による保全と利用の取組みが進められています。このような熊本地域独自の高度化された地下水保全・管理の仕組みは、世界からも高く評価されています。加えて、平成28年4月に発生した熊本地震からの復旧・復興も進捗していることから、この地での本サミットの開催は有意義なことです。

 国土交通省としても、関係行政機関と必要な協力を行いつつ、我が国が世界の水問題の解決のリーダーシップを発揮できるよう、水災害をはじめとするさまざまな水問題に関する経験や教訓を積極的に発信していきます。

第3回アジア・太平洋水サミットの参加国代表(平成29年12月 ミャンマー)
第3回アジア・太平洋水サミットの参加国代表(平成29年12月 ミャンマー)