国土交通省ロゴ

国土交通白書 2020

第3節 良好な景観形成等美しい国づくり

第3節 良好な景観形成等美しい国づくり
■1 良好な景観の形成

(1)景観法等を活用したまちづくりの推進

 「景観法」に基づく景観行政団体は平成31年3月末時点で737団体に増加し、景観計画は578団体で策定されるなど、良好な景観形成の取組みが推進されている。また、「屋外広告物法」に基づく条例を制定している景観行政団体は、31年4月1日時点で216団体に増加し、総合的な景観まちづくりが進められている。

(2)社会資本整備における景観検討の取組み

 景観に配慮した社会資本整備を進めるため、地域住民や学識経験者等の多様な意見を聴取しつつ、事業後の景観の予測・評価を行い、事業案に反映させる取組みを推進している。

(3)無電柱化の推進

 良好な景観の形成や観光振興、安全で快適な通行空間の確保、道路の防災性の向上等の観点から、低コスト手法の普及、事業期間の短縮、固定資産税の特例措置の拡充などにより、無電柱化推進計画に基づき無電柱化を推進した。

図表II-3-3-1 欧米やアジアの主要都市と日本の無電柱化の現状
図表II-3-3-1 欧米やアジアの主要都市と日本の無電柱化の現状
Excel形式のファイルはこちら

(4)「日本風景街道」の推進

 多様な主体による協働の下、道を舞台に、地域資源を活かした修景・緑化を進め、観光立国の実現や地域の活性化に寄与することを目的に「日本風景街道」を推進している。令和2年3月末現在144ルートが日本風景街道として登録されており、「道の駅」との連携を図りつつ、道路を活用した美しい景観形成や地域の魅力向上に資する活動を支援している。

(5)景観に配慮した道路デザインの推進

 安全・円滑・快適に加えて、景観面での美しさを備えた道路の整備に関する一般的技術的指針である「道路デザイン指針(案)」や道路附属物等の設置・更新を検討するにあたっての景観への配慮事項を示した「景観に配慮した道路附属物等ガイドライン」等に基づき、良好な景観形成の取組みを推進している。

(6)水辺空間等の整備の推進

 河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するための「多自然川づくり」をすべての川づくりにおいて推進している。

 河口から水源地まで河川とそれにつながるまちを活性化するため、地域の景観、歴史、文化及び観光基盤などの「資源」や地域の創意に富んだ「知恵」を活かし、市町村、民間事業者及び地元住民と河川管理者の連携の下、「かわまちづくり」計画を作成し、河川空間とまち空間が融合した良好な空間の形成を推進している。

 具体的には、良好な河川環境を保全・復元及び創出する「総合水系環境整備事業」や河川空間をオープン化する「河川敷地占用許可準則の緩和措置」、ダムを活用した水源地域活性化を図る「水源地域ビジョン」、広く一般に向けて川の価値を見いだす機会を提供する「ミズベリングプロジェクト」等により支援している。

 また、下水処理水のせせらぎ水路としての活用等を推進し、水辺の再生・創出に取り組んでいる。さらに、汚水処理の適切な実施により、良好な水環境を保全・創出している。