国土交通白書 2020

コラム　既存ダムの洪水調節機能強化に向けた取組みとダム再生の推進

　水害の激甚化等を踏まえ、関係省庁で構成される「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」（令和元年11月26日）が設置され、同会議においてとりまとめられた「既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針」（令和元年12月12日）に基づき、緊急時に利水ダムを含む既存ダムの容量を洪水調節に最大限活用できるよう、利水者等と連携して取り組みを進めているところです。

　利水ダムは、本来は用水等の補給のため高い貯水位が維持されるよう運用されるものであり、治水のために事前放流を実施する上では各種の制約があるため、国土交通省では、利水ダムの事前放流の促進に向けた制度を創設する等の取り組みを進めています。

　また、ソフト・ハードの両面から既存ダムの機能向上を図る「ダム再生」に取り組んでおり、ダムのかさ上げ、放流施設の増強等を行うダム再生事業を実施しています。令和2年度には新たに5つの事業に着手する等、今後とも、ダム再生の更なる推進に取り組んでいく予定です。