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国土交通白書 2020

第2節 自然災害対策

コラム 土砂災害対策における新技術(5G通信等)について

 土砂災害対策においては、山間地の急峻かつ狭隘な現場条件で行われることが多く、二次災害の危険性とも隣り合わせであること、気候変動による降雨特性の変化により土砂災害の激甚化・頻発化が懸念されることから、より高度な安全対策が求められています。

 そのため、様々な大規模災害の現場において無人化施工技術が開発・活用されており、特に砂防工事の現場で積極的に導入されることにより発展を重ねてきました。

 無人化施工技術が大きく発展したのは、雲仙・普賢岳における火山災害の復興工事の現場であり、最近では、2016年熊本地震の阿蘇大橋地区における大規模崩壊斜面対策において導入されています。

阿蘇大橋地区における無人化施工例
阿蘇大橋地区における無人化施工例

 更なる無人化施工技術の発展を見込み、新技術の第5世代移動通信システム(5G)を導入することで、5Gの特性である「高速大容量」「多接続」「低遅延」によって、同時に多数の建設機械を投入することによる施工量の増大化、オペレータへの高解像度の映像提供に加えて音や振動などの現実に近い操作感覚を提供することによる施工効率の向上化、さらに数百キロ離れた超遠隔地から建設機械の操作により安全性や施工性の向上などが期待できます。

 今後、雲仙・普賢岳等で5Gを活用した無人化施工技術の現場実証に取り組み、安全かつ迅速な土砂災害対策の実現を推進していきます。

無人化施工イメージ