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国土交通白書 2021

第3節 多様化を支える社会への変革の遅れ

■4 多様化の支援・促進の重要性

 人は、性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、宗教・信条、価値観、キャリアや経験などの面で多様であるため、多様な人を包摂する社会を形成することは重要である。多様な働き方を可能にすることは、人材を確保でき、また、個々の人材がその特性を活かし、生き生きと働くことで、自由な発想が生まれ、生産性向上及び競争力強化につながる。また、多様なニーズに対応することは、消費者等の満足度を向上させることはもちろん、商品・サービスの付加価値の向上により、競争力強化等につながる。そして、多様な人が不自由なく暮らせる社会であることは、人々の幸福や社会の活力の向上につながる。さらに、多様な価値観、人材、キャリア等の形成が促進されることは、イノベーションの創出や社会の活力向上につながる。このように、多様化を支援・促進することは重要である。

 我が国において、これまでも多様化は進展してきたが、多様な働き方や女性活躍等に見られるように、多様化の支援・促進の面で遅れていた。新型コロナウイルスの感染拡大により、働き方や住まい方等に大きな変化が見られ、今後より一層多様化が進展していくと予想される。このため、これを契機として、多様化する働き方、生活様式等を支援・促進する社会への変革が必要である。