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国土交通白書 2021

第1節 危機による変化と課題への対応

コラム 地下室のある暮らし~マルチシェルター~

 コロナ禍をきっかけに、おうち時間や家の中の環境を見直した人は多いのではないでしょうか。あるいは、近年の災害の激甚化・頻発化を踏まえて防災の備えを強化した人も多いでしょうか。けれど、そんなときにネックになるのがスペースの問題。テレワークスペース、趣味部屋、避難部屋、防災倉庫、いずれにしてもそのためのスペースが必要になります。サンヨーホームズの「マルチシェルター(MultiShelter)」は、地下室という形でそれらのニーズに対応するスペースを確保するものです。

 コロナ禍を機に、テレワーク、おうち時間の充実、感染予防など住まいに対する多様なニーズが生まれています。「マルチシェルター」は、地下室によって新たな空間を作ることで、テレワークスペース、音楽やトレーニングなど趣味のスペース、感染予防のための家庭内隔離スペースなどに用いることができます。さらに、地下室は地震や強風による被害に強いため、防水・排水機能を徹底することで、地震や、近年激甚化している風水害など、自然災害への対策として、避難部屋や防災倉庫にも活用でき、防災と日常を両立する空間となっています。

 また、鋼製ユニット躯体を用いることで、現場での施工を極力減らすことができ、鉄筋コンクリート(RC)を用いた工法と比べて、工期の短縮と費用の縮減を図っています。

 「マルチシェルター」は、2017 年に発生したミサイルの脅威からの避難用として開発に着手しましたが、シェルターとして利用するだけではなく、日常にも利用したいという要望を受けて、約4 年の歳月をかけて新しい生活様式に順応した現在の商品となりました。

 地下室は容積率制限が緩和されるため、建て替えや増築の際、地下室の設置は、土地や空間を最大限活用することができます。ただし、残念ながら、既存の住宅にマルチシェルターだけ増築することはできないそうです。

 国土交通省としても、地下室設置への直接的な補助等はありませんが、在宅勤務の普及や、住宅の防災対策を促進しています。

【関連リンク】

・サンヨーホームズ㈱ マルチシェルター

https://www.sanyohomes.co.jp/house/m-shelter/