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国土交通白書 2021

第1節 危機による変化と課題への対応

■4 DXの推進等による成長の実現

  第2章第4節デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れと成長の停滞の通り、我が国は、人口減少・高齢化が進行しており、コロナ禍により出生数の減少が加速化する可能性もある。また、経済成長も停滞している。人口減少・高齢化が進行する中で、社会システムを維持し、持続的な成長を確保するためには、DXが重要であり、我が国のDXは他国と比較して遅れていたものの、コロナ禍を契機としてDXが加速化することが見込まれる。このため、これを機に、国土交通分野においてもDXを強力に推進することが重要である。本節ではそれらに関する取組みについて記載していく。

( 1 )DXによる生産性向上

 我が国経済の持続的な成長の確保のためには、DXによる業務・サービスの高度化、それによる生産性向上が重要である。このため、国土交通省としては、建設、観光、物流など、あらゆる分野において、DXによる生産性向上を推進しているところである。国土交通分野におけるDXによる生産性向上に関する主な取組みを以下に紹介する。

①建設産業の生産性向上

(無人化施工)

 社会資本の整備・維持管理の生産性を向上させるためには、5Gなどの新技術を活用した無人化施工等を行うことが有効な手段の一つである。国土交通省では、更なる無人化施工技術の発展を見込み、第5世代移動通信システム(5G)を導入することで、5Gの特性である「高速大容量」「多接続」「低遅延」によって、施工量の増大、施工効率の向上、安全性や施工性の向上等を図ることとしている。

 加えて2021年3月、国土交通省は、国の機関としては初めてとなる屋外のローカル5G無線局免許を取得した。この免許取得に伴い、無人化施工だけではなく、河川管理・道路管理の高度化や災害対応、ドローンやAI技術を利用した施工管理等でのローカル5Gの活用検討を進めることとしている(図表Ⅰ-3-1-25)。

図表Ⅰ-3-1-25 無人化施工イメージ図
図表Ⅰ-3-1-25 無人化施工イメージ図

資料)国土交通省

(BIM/CIM)

 国土交通省では、建設現場の生産性向上を図るi-Constructionの取組みにおいて、これまで3次元モデルを活用し社会資本の整備、管理を行うCIM(Construction Information Modeling, Management)を導入することで、受発注者双方の業務効率化・高度化を推進してきた。一方で、国際的なBIM(Building Information Modeling)の動向については、近年顕著な進展を見せており、国土交通省としては、土木分野での国際標準化の流れを踏まえ、3次元データを基軸とする建設生産・管理システムを実現するため、産官学一体となってBIM/CIMの取組みを推進していく。

 今後は、2023年度までの小規模を除く全ての公共工事におけるBIM/CIMの原則適用に向け、段階的に適用拡大することとしている。一般土木、鋼橋上部の詳細設計については、2021年度は、「3次元モデル成果物作成要領」に基づく3次元モデルの作成及び納品を求めるとともに、人材育成のための研修等を行う。一般土木、鋼橋上部の工事については、2021年度は、設計3次元モデルを用いた設計図書の照査、施工計画の検討を求めるとともに、引き続き、研究開発や人材育成のための研修等を行う。

②観光DXによる観光サービス変革と観光需要創出

(オンラインツアー等を通じた観光産業の活性化とAR、MR等の活用による新しい観光コンテンツ・価値の創出)

 コロナ禍により低迷した観光産業を活性化させるためには、実際に現地に赴かなくとも、オンラインツアーを通じて観光地の情報収集や消費機会等を提供し、オンライン上の「観光客」に魅力を感じてもらう機会を設けることも効果的である(図表Ⅰ-3-1-26)。

図表Ⅰ-3-1-26 オンライン空間イメージ
図表Ⅰ-3-1-26 オンライン空間イメージ

資料)国土交通省

 これまで、観光産業においてはデジタル技術の導入・有効活用は十分に進んでいなかった。このため、観光庁としては、「一定の愛好家が存在する日本ならではのモノ消費コンテンツ」や「その時・その場所でしか楽しめないトキ消費コンテンツ」等を核とし、観光コンテンツと、オンラインツアーをはじめとしたオンライン技術を組み合わせることで、観光需要や消費意欲を創出し、来訪意欲の増進に資する事業を実施している。また、AR、MR等を活用することで、新しい観光コンテンツ・価値を創出し、体験価値向上や観光消費額増加を実現する技術開発等も行っており、2021年度以降も引き続き、観光DXの推進に向けた取組を行うこととしている。

③高機能で生産性の高い交通ネットワーク・サービスへの強化

(MaaS)

 MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスである。MaaSは、人々の多様な移動ニーズに対し、様々な交通モードを組み合わせて、的確かつ効率的に対応できるとともに、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動に関連する消費の需要の喚起や地域の課題解決にも資するサービスである。国土交通省は、関係府省庁とも連携しつつ、MaaSの全国への早急な普及に取り組んでいるところであり、実証実験への支援のほか、MaaSに不可欠な交通事業者と経路検索事業者等との間のデータの受け渡しを容易にする、「標準的なバス情報フォーマット」、「標準的なフェリー・旅客船航路情報フォーマット」等、GTFS(General Transit Feed Specification)形式でデータを作成し、出力を可能とするシステムの整備に対し、支援を行っている。また、交通事業者のキャッシュレス化や交通情報のデータ化などについても、財政面、ノウハウ面で支援している。

(混雑情報の提供やキャッシュレス決済等の活用)

 上記に加えて、新型コロナウイルスの感染防止対策として、各公共交通機関による混雑情報の適切な提供を実施・普及できるよう、検討会を設置し注11、「公共交通機関のリアルタイム混雑情報提供システムの導入・普及に向けたガイドライン」の作成を進めているほか、非接触での決済が可能となるサービスの実現に向け、高速道路以外の施設においても、ETC技術を活用した決済システムの整備を推進している(図表Ⅰ-3-1-27)。

図表Ⅰ-3-1-27 ドライブスルーにおけるETC決済
図表Ⅰ-3-1-27 ドライブスルーにおけるETC決済

資料)国土交通省

動画

ピックアップ!「移動」を1つのサービスに!“MaaS”

出典:政府広報オンライン

URL:https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg19556.html

④物流デジタル化の強力な推進

 コロナ禍は、我が国における物流DXを大きく進展させることとなった。EC市場が急成長したほか、非接触・非対面型物流といった新しい生活様式に対応した物流サービスへの転換が進んでいる。また、物流の社会的価値も再認識された。これを契機として、物流のデジタル化や構造改革を加速度的に促進させていくことが重要である。

(デジタル環境の整備)

 国土交通省では、政府における物流施策や物流行政の指針を示し、関係省庁の連携により施策の総合的・一体的な推進を図るものとして、第7回次期総合物流施策大綱(次期大綱)の策定を進めている。

 次期大綱においては、技術革新の進展、SDGsへの対応の社会的気運、生産年齢人口減、ドライバー不足、災害の激甚化といった、現在のわが国の物流が直面する課題を踏まえ、今後の物流施策の一つとして、「物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化」を挙げている。

 この物流DXとは、物流の機械化・デジタル化を通じた、既存のオペレーション改善や働き方の改革の実現、物流システムの規格化等を通じた物流産業のビジネスモデルそのものの革新などである。具体的には、例えば、物流のデジタル化については、運送状等の電子化、点呼や配車管理のデジタル化、SIP物流(物流・商流データ基盤)やサイバーポートの構築によるサプライチェーン上のさまざまなデータを蓄積・共有・活用することによる物流の効率化、特殊車両通行手続の迅速化等である。また、物流標準化については、例えばソフトの標準化や業務プロセスの標準化、ハードの標準化等が挙げられる。

(サイバーポート)

 港湾政策に関しては、中長期政策である「PORT2030」において、中長期政策の方向性の8本柱のうちの1つに、「情報通信技術を活用した港湾のスマート化・強靭化」を掲げている。民間事業者間の港湾物流手続を電子化するプラットフォームである「サイバーポート」(港湾物流分野)を構築し、2021年4月に第一次運用を開始したところである。サイバーポートについては、今後、港湾行政手続情報等の電子化(港湾管理分野)や、施設情報等の電子化(港湾インフラ分野)を進めることとしている。港湾物流・港湾管理・港湾インフラの三分野のデータを連携させることにより、港湾工事等における利用者間調整の円滑化、災害時における代替物流ルートの検討、港湾物流情報を活用した効率的なアセットマネジメントの実現といった多くのシナジー効果の創出を目指すとともに、サイバーポートの構築及び利用を通じて、港湾の生産性向上、国際競争力向上などを図ることとしている。

動画

港湾の中長期政策 PORT2030 full version

出典:公益社団法人日本港湾協会

URL:https://www.youtube.com/watch?v=bhHfRdUNVCI

⑤行政のデジタル化

 行政の効率化、利用者利便の向上、新型コロナウイルスの感染拡大防止等のため、政府全体において、行政のデジタル化を強力に推進している。

 2020年9月、内閣府特命担当大臣(規制改革)・行政改革担当大臣及びデジタル担当大臣が新たに置かれ、2021年9月には、デジタル社会の形成に関する行政事務の迅速かつ重点的な遂行を図ることを任務とするデジタル庁が創設されることとなっている。

 また、デジタル化への取組みの一環で、不必要な出社や他者との接触の機会を削減するため、行政手続き及び民間事業者間の手続きにおける書面規制、押印、対面規制の抜本的見直しを進めている。 

( 2 )イノベーションの促進

イノベーションは、生産性や競争力を大きく向上させる源泉であり、その促進を図ることが重要である。国土交通分野における、DXによるイノベーションの促進に関する主な取組みを以下に紹介する。

①次世代モビリティの開発・実用化

(自動運転車の実用化に向けた取組み)

 国土交通省では、自動運転に関する政府戦略である官民ITS構想・ロードマップを踏まえ、自家用車、移動サービス及び物流サービスそれぞれにおいて、自動運転の実用化に向けた取組みを推進している(図表Ⅰ-3-1-28)。

図表Ⅰ-3-1-28 無人自動運転移動サービスの事業化
図表Ⅰ-3-1-28 無人自動運転移動サービスの事業化

資料)国土交通省

 自家用車については、2025年を目途に高速道路でのレベル4自動運転(特定条件下において、作動継続が困難な場合も含め、システムが運転を実施)の実現を目指しており、そのため今後、高度な自動運転機能に関する安全基準を策定する。次に、移動サービスについては、2022年を目途に限定地域での遠隔監視のみの自動運転サービス開始を目標としており、技術開発や実証実験を推進する。最後に、物流サービスについては、2025年度以降の高速道路でのトラックのレベル4自動運転の実現を目標としており、その実現に向けた検討を進める。

 自動運転車は、各国において早期実現に向けて開発が進められているが、自動車は国際流通商品であることから、国際的な基準調和は不可欠である。そのため我が国は、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、共同議長又は副議長等として、自動運転に係る国際基準に係る議論を主導し各国と協力しながら、国際基準の策定に向けて検討を進めていく。

動画

日本初!!秋田県上小阿仁村で自動運転サービス本格導入!

URL:https://www.youtube.com/watch?v=mus70syP6yE

(自動運航船の実用化に向けた取組み)

 自動運転車と同様、海上交通の分野においても、近年、海上安全の一層の向上、船上の労働環境改善、産業競争力・生産性の向上等の観点から、船舶の自動運航技術の実用化への期待が高まっている。

 国土交通省としては、交通政策審議会海事分科会海事イノベーション部会報告書(2018年6月1日)に示したロードマップにおいて、「陸上からの操船やAI等による行動提案で、最終的な意思決定者である船員をサポートする船舶」を「フェーズII自動運航船」と類型化し、2025年までの実用化を目標としている。

 また、国土交通省では、自動運航船の実用化に向けて、そのコア技術となる自動操船、遠隔操船及び自動離着桟の3つの技術の早期実証のため、2018年度より実証事業を行っている。2020年8月には、自動運航船の実用化に向けた国際連携枠組み「MASSPorts」が立ち上がっており、今後、MASSPortsとも連携し、2025年の自動運航船の実現に向けた取組みを進めていく。

②スマートシティの社会実装の推進

 「スマートシティ」という言葉は、2010年(平成22年)頃から社会に浸透し始めた。当初は、「スマートシティ」に係る取組みは、都市におけるエネルギーの効率的な利用など、都市の特定の分野に 特化した取組みが多かったが、IoT、ロボット、AI、ビッグデータといった新たな技術の開発が進ん だことを踏まえ、2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018-「Society 5.0」「データ駆動 型社会」への変革-」では、“まちづくりと公共交通・ICT活用等の連携によるスマートシティとし て、『まちづくりと公共交通の連携を推進し、次世代モビリティサービスやICT等の新技術・官民デー タを活用した「コンパクト・プラス・ネットワーク」の取組みを加速するとともに、これらの先進的 技術をまちづくりに取り入れたモデル都市の構築に向けた検討を進める』ことが盛り込まれた。

 国土交通省では、2018年に「スマートシティの実現に向けた中間とりまとめ」を公表し、2019年以降、全国の牽引役となる先駆的な取組みとして22の「先行モデルプロジェクト」や、国が重点的に支援を実施する21の「重点事業化促進プロジェクト」を選定し、関係府省連携の下、全国各地での展開を推進している。

 現在、世界や我が国のさまざまな地域で「地域の3D データ化」が進められている。この議論はGIS(地理情報システム;Geographic Information Systems)普及の取組みに遡り、我が国においては、阪神・淡路大震災での教訓を基に、本格的なGIS の普及の取組みが開始された。そのうち都市計画分野においては、1976 年のUIS(都市情報システム;Urban Information System)の開発を皮切りに、都市計画GIS データの標準化・普及を進めてきた。

 これをさらに推し進める形で、2020 年から、国土交通省では、幅広い分野の専門家との協業のもと、Project "PLATEAU"を起動した。このPLATEAU は、国土交通省が進める3D 都市モデルを整備・活用するとともに、オープンデータ化して、ビジネス等に広く活用できるようにする先進的なプロジェクトである。3D 都市モデルとは、現実の都市空間に存在する建物や街路などを、サイバー空間に3D オブジェクトで再現し、さらにそのオブジェクトに、名称、用途、建設年といった都市活動情報を付与した、3D 都市空間情報プラットフォームを指す。様々な都市活動データがこの3D 都市モデルに統合され、現実空間とサイバー空間の高度な融合が実現することにより、都市計画立案の高度化や、都市活動のシミュレーション、分析等を行うことが可能となる。

③新技術の活用による物流最適化

(ロボット・ドローンによるラストマイル配送円滑化)

 非接触・非対面型の物流システム(BtoB輸送モデル、BtoC配送モデル)を構築し、サプライチェーンの強靭化を図るため、引き続き、デジタル技術などを用いた新たな輸配送方法等の調査・実証を行う。具体的には、地域コミュニティや配送事業者との連携によって、AI・IoT等の先端技術やシェアリングを行いつつ、非接触・非対面型のCtoC配送モデルについて、実証を行うことで検証し、横展開を図る(図表Ⅰ-3-1-29)。

図表Ⅰ-3-1-29 自動配送ロボット
図表Ⅰ-3-1-29 自動配送ロボット

資料)国土交通省

 また、貨客混載や中継輸送等を活用し、デジタル技術を駆使した非接触・非対面型の輸送モデルを検証、将来的な横展開を図るため、手荷役作業が多く接触機会も多い食品流通に重点を置き、支援を行う。

(高速道路における隊列走行を含む高性能トラックの実用化)

 国土交通省・経済産業省では、トラックドライバーの不足や高齢化、燃費の改善など物流業界が直面する課題の解決に向け、2020年度内に高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現することを目標として、車両技術の開発や、実証実験を進めてきており、2021年2月に、新東名高速道路の遠州森町PA~浜松SA(約15km)において、トラックの後続車無人隊列走行を実現した(図表Ⅰ-3-1-30)。今後は、今回実現したトラックの後続車無人隊列走行技術の成果を生かしつつ、引き続き、自動運転技術を搭載した高性能トラックの開発、社会実装を推進する。

図表Ⅰ-3-1-30 新東名におけるトラックの後続車無人隊列走行の様子
図表Ⅰ-3-1-30 新東名におけるトラックの後続車無人隊列走行の様子<

※安全確保の観点から、後続車の助手席には経験を積んだ保安要員が乗車して行われた。
資料)国土交通省

動画

高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現しました[1]技術説明

URL:https://www.youtube.com/watch?v=cdLg6QbErms

動画

高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現しました[2]走行時の様子

URL:https://www.youtube.com/watch?v=GZf19fC_DPw

( 3 )海外需要の取り込み

 今後も拡大が見込まれる海外需要の取り込みについても、我が国経済の持続的な成長の確保のためには欠かせない。国土交通分野におけるDXによる海外需要の取り込みに関する主な取組みを以下に紹介する。

(「ヒトを支援するAIターミナル」の実現)

 大型コンテナ船の寄港の増加による荷役時間の長期化や、コンテナターミナルのゲート前の渋滞の深刻化に対応するため、コンテナターミナルの生産性を飛躍的に向上させる必要がある。このため、国土交通省は、ゲート処理及びターミナル内荷役の効率化を図ることで、良好な労働環境と世界最高水準の生産性を有する「ヒトを支援するAIターミナル」の実現に向けた具体的な取組みと工程を策定している。

 具体的には、まずコンテナターミナル内の荷役の効率化に係る取組みとして、①熟練技能者の荷役ノウハウをAIにより分析し、その暗黙知を定式化し、若手技能者に継承する、②RTGを遠隔操作化し、クレーン能力を最大化しつつ、オペレーターの労働環境を改善する、③品名、荷主名、過去の搬入・搬出日時等のビックデータをAIで分析し、コンテナの蔵置場所を最適化するとしている。また、ゲート処理の効率化に係る取組みとして、④過去のダメージ画像のビックデータを分析し、ダメージチェックを効率化する、⑤ICTの活用により搬出入票情報を自動照合し、ゲート処理を迅速化する。これらにより、令和5年度中にコンテナ船の大型化に際してもその運航スケジュールを遵守した上で、外来トレーラーのゲート前待機をほぼ解消することを目指すこととしている(図表Ⅰ-3-1-31)。

図表Ⅰ-3-1-31 遠隔操作RTGの導入促進
図表Ⅰ-3-1-31 遠隔操作RTGの導入促進

資料)国土交通省

(インバウンドの段階的復活に向けた受入環境整備)

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外との間における人の往来は著しく減少した。しかしながら、ポストコロナを見据え、外国人の受入環境整備やインバウンドの段階的復活を図っていく必要があることから、国土交通省においては、2030年訪日外国人旅行消費額15兆円の目標達成に向けた取組みを進めていく。

 具体的には、①主要7大空港を中心として配備した顔認証ゲート及びバイオカートの活用による出入国審査手続の迅速化、②バイオカートの指紋取得技術の高度化、③チェックインから搭乗までの自働化機器を顔認証システムで一元化するシステムの導入等の受入環境整備を進める。このほかにも、我が国の文化資源、国立公園等においても受入環境整備を進める。

  1. 注11 2020年7月より「公共交通機関のリアルタイム混雑情報提供システムの導入・普及に向けたあり方検討会」が設置されている。