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国土交通白書 2021

第7節 海洋の安全・秩序の確保

コラム 緊迫感が増している尖閣諸島周辺海域

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)は、南西諸島西端に位置する魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島等からなる我が国固有の領土です。尖閣諸島周辺の領海の面積(約4,740km2)は東京都と神奈川県の面積を足した面積(約4,605km2)とほぼ同じ広さです。海上保安庁では、この広大な海域で、昼夜を分かたず、巡視船艇・航空機により領海警備を実施しています。

 令和2年の尖閣諸島周辺の接続水域内において、中国海警局に所属する船舶を確認した日数は333日で、延べ隻数は1,161隻となっており、これは元年の282日、延べ隻数1,097隻を上回り、いずれも過去最多となりました。

 また、尖閣諸島周辺の接続水域において、中国海警局に所属する船舶を連続して確認した日数も2年は、111日間(2年4月14日から2年8月2日まで)となっており、これは平成31年/令和元年の64日間(平成31年4月12日から令和元年6月14日まで)を上回り過去最長のものです。

 さらに、尖閣諸島周辺海域において、令和2年10月11日から13日にかけて発生した中国海警局に所属する船舶による領海侵入時間は、57時間39分であり、これは平成25年に発生した領海侵入の28時間15分(平成25年8月7日から8日まで)を上回り過去最長のものです。

 このように、尖閣諸島周辺海域を巡る情勢は依然として予断を許さない中、海上保安庁では、領土・領海を断固として守り抜くという方針の下、今この瞬間も、冷静に、かつ、毅然として対応を継続しています。