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国土交通白書 2021

第5節 北海道総合開発の推進

コラム 守れ!北海道の生産空間! ~「道の駅」を活用してトラック輸送を効率化~

 北海道の北部地域では、片荷輸送による積載率の低下等の課題を抱え物流事業者が減少しています。また、一部の農産品生産者は、収穫量に合わせた集荷トラックの手配が難しいことから、自ら選果場やスーパーに輸送するなどの負担が生じています。このため、生産空間の維持・発展を議論する名寄周辺モデル地域圏域検討会では、効率的な物流システムの構築に向け、北海道開発局、北海道運輸局、北海道、名寄市、民間団体等が連携して、地域の物流実態の把握や物流の効率化、安定化に資する仕組みづくりを検討するワーキングチームを平成30年7月に設置しました。

 令和2年度には、5つの道の駅(もち米の里☆なよろ、びふか、おといねっぷ、なかがわ、わっかない)を一時的な集荷拠点とし、積荷量に余裕のある長距離物流トラックが立ち寄りながら地方部で生産される農作物やレンタサイクル等を輸送する試行実験を実施しました。

 試行実験の結果、全国への輸送についてはコスト面での課題があるものの、今回試行を行った道の駅間の輸送についてはコスト面でも導入の可能性があることを確認しました。このため、例えば、農作物を生産地から離れた道の駅で販売することや、貸出場所と違う道の駅に返却されたレンタサイクルを貸出場所へ輸送することなどに利用することが考えられます。実際に、レンタサイクルの輸送については、実現に向け検討が進められております。

 生産空間を維持・発展させるためには、物流の維持が重要な課題のひとつであるため、今後も、他地域の参考となる取組みとなるよう検討を進めてまいります。

道の駅を活用したレンタサイクルの輸送イメージ
道の駅を活用したレンタサイクルの輸送イメージ

【関連リンク】

北海道型地域構造(生産空間)の保持・形成(北海道開発局)

https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/keikaku/splaat0000013gzk.html#s0