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国土交通白書 2022

第2節 脱炭素化による経済と環境の好循環

■1 経済と環境の好循環に向けた動向

(1)温室効果ガス削減と経済成長の両立

 各国がパリ協定等に基づきカーボンニュートラルに向けた取組みを推進する中で、主要先進国は、経済成長を図りつつ温室効果ガスの削減を進めており、例えばOECD加盟国では、この約30年、GDP当たりの温室効果ガス排出量が減少傾向にある。

図表Ⅰ-1-1-12 GDPあたりの温室効果ガス排出量
図表Ⅰ-1-1-12 GDPあたりの温室効果ガス排出量

(注)Total GHG excl. LULUCF per unit of GDP (Kilograms per 1000 US dollars, Thousands)
資料)OECD. Statより国土交通省作成

 他方、我が国では、温室効果ガス排出量当たりの経済成長を示す指標である炭素生産性がかつて世界最高水準だったものの、近年、その世界における位置付けが低下しつつある。

 このため、炭素生産性を考慮した気候変動対策として、炭素投入量の増加を伴わずに経済成長を実現するとともに、省エネルギー等により炭素投入量を減少させていくことが求められる。

図表Ⅰ-1-1-13 炭素生産性を考慮した気候変動対策の考え方
図表Ⅰ-1-1-13 炭素生産性を考慮した気候変動対策の考え方

資料)国土交通省

 炭素生産性を計る際の参考となる一人当たりのGDPと二酸化炭素排出量の推移は、国により差があり、例えばアメリカやスウェーデン、ドイツなどでは、GDPが増加する一方で二酸化炭素排出量は減少している。中国や韓国では、GDPとともに二酸化炭素排出量も増加している。我が国においては、二酸化炭素排出量・GDPともに、近年、増減傾向が安定していない傾向にあり、二酸化炭素排出量の削減とともにGDPが増加する取組みが求められる。

図表Ⅰ-1-1-14 一人当たりGDPと一人当たり二酸化炭素排出量
図表Ⅰ-1-1-14 一人当たりGDPと一人当たり二酸化炭素排出量

資料)IEA、世界銀行のデータベースより国土交通省作成